銀楊は盛岡市本宮にあります。雫石川の流域であり、北上川に合流するところでもあります。今は都市計画が進み、市街化していますが、以前は一帯が田園で中小の用水路が迂回して流れており、そこには柳の木が多く、この地区を並柳と呼んでいました。ヤナギの楊の字に、老人の意味もあるシルバーの銀を頭につけ、昔の並柳の風景に因縁付けて「銀楊」という名称になりました。
宮澤賢治の作品の中に「ぎんどろ」が出てきます。賢治が「ぎんどろ」を好んだことは有名で、葉裏に銀粉様の白毛が密生し、風に吹かれると緑と白の葉が一斉に煌く雰囲気を賢治はたまらなく好きだったようです。この「ぎんどろ」は学名をギンドロヤナギといい、施設名を命名した花巻市出身の前理事長は、「ぎんどろ=銀楊」との思いもありました。三十三観音のひとつ、楊柳観音は右手に「柳」の枝を左手に施無畏の印を結ぶ観音様です。「慈悲深く衆生の願望に答える楊柳観音を心とする施設でありたい」という思いで、銀楊は運営されています。
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